名古屋土産で有名な“ういろう”って、羊羹と何が違う?そもそも何?名古屋ういろの元祖・餅文総本店に聞いてみた!
東京ウォーカー(全国版)
ちなみに、蒸し上がってすぐの“ういろう”は生地がベタベタしており、あまりおいしくないのだそう。冷えていく過程で生地が引き締まり、あの独特の弾力が生まれるのだとか。つい「出来立てがおいしい」と思いがちだが、“ういろう”は冷ますことも大事な工程の1つなのだ。
その後、透明のフィルムで“ういろ”を巻き、機械を使って真空パックの包装を施したのち、殺菌のためにさらに40分ほど蒸し上げる。しっかりと冷ましたら、最後に箱詰めをして「献上ういろ」の出来上がりだ。
「献上ういろ」が作られる工程を見て驚いたのは、そのほとんどが手作業であること。1970年頃には機械で作っていたこともあったそうだが、きめ細かな生地ができなかったため、1990年頃から手作りに戻したという。日々研究を重ねている、熟練の職人の手で作るからこそ、「献上ういろ」のもっちりとした歯応えのある生地を楽しめるのだ。
羊羹と“ういろう”、似ているけど結局何が違う?
ちなみに、米粉、砂糖、でんぷんが主原料の“ういろう”に対し、羊羹は小豆、砂糖、寒天が主原料。共通しているのは砂糖のみで、そもそも原料がまったく違う。食感も、“ういろう”は米粉のもっちり感が特徴的だが、羊羹は寒天で固めているため、さっくりとしている。形こそ似ているものの、まったく別物のお菓子なのだ。
「献上ういろ」はもちろん、季節限定商品にも注目!
今回、作る工程を紹介した「献上ういろ」などは、本店や桃山店、元八事店、熱田工場併設の「餅屋文蔵の店」といった直営店のほか、ジェイアール名古屋タカシマヤなどで購入することができる。
看板商品である「献上ういろ」は、「白」のほかにも「黒(黒糖)」「抹茶」(1棹 各1080円)、「栗」(1棹 1620円)と全部で4種類の味がある。手頃なハーフサイズもあるので、家族の人数によって大きさを選べる。石塚さんによると、夏は30分ほど冷蔵庫に入れて、少し冷やしてから食べるのがおすすめだそう。冷蔵庫に入れっぱなしにすると固くなってしまうので、注意が必要だ!
「ひとくち生ういろ」は、最近では1番人気の商品。「白」「こしあん」「抹茶」「桜」「きなこ」の5種類の味があり、5個入(540円)、10個入(1080円)、バラ売り(直営店限定、1個108円)がある。個包装になっているので、お土産にもおすすめだ。
定番商品以外に、季節商品も充実している。夏に人気なのは「一口水ういろ」(5個入 594円ほか)。これは米粉を使わず、砂糖とでんぷんで作られており、冷やして食べれば、ぷるんとした涼しげな食感を楽しめる。味は「上り(こしあん)」と「抹茶」の2種類。ほかに、「マンゴーういろ」(1個 125円)や「白桃ういろ」(1個 135円)といったフルーツ味の“ういろ”も人気。すべて8月下旬までの限定商品だ。
“ういろ”以外の和菓子も販売しており、人気の「どら焼」(1個 216円)は、しっとりと焼き上がった皮と粒あんの相性が抜群だ。皮に黒糖を練り込んだ「とら焼」(1個 216円)もある。
名古屋土産として有名な“ういろう”、実は米粉やでんぷんでできていると知らない人も多かったのではないだろうか。「餅文総本店」では、今回紹介した以外にもさまざまな種類の“ういろ”を作っており、味は40〜50種類ほどあるのだとか。お土産として購入するのはもちろん、自分用にも購入して味わってみてはいかがだろうか。
取材・文=溝上夕貴/撮影=古川寛二
※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。
※新型コロナウイルス感染対策の実施については個人・事業者の判断が基本となります。
この記事の画像一覧(全20枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック