幕末ミステリーリサーチ File3 東京都内の坂本龍馬を探せ! #04 浮かび上がったシンボル!?

東京ウォーカー

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明治維新150周年の今年は、徳川幕府の本拠地・江戸が、日本の首都・東京に生まれ変わった節目でもあるワケで、東京の各区で150周年記念企画がめじろ押しだ。

BMRや『西郷どんナナメ斬りッ!』でたびたび取り上げている品川区では、坂本龍馬と黒船をモチーフにしたキャラクターを創り、PR動画の製作に乗り出した。勝海舟と縁の深い墨田区と上野の西郷隆盛像を擁する台東区では、今秋、両区の共同イベントとして「江戸を守った男たち」をテーマにシンポジウムを開催。水戸徳川、前田、細川など大藩の大名屋敷が多かった文京区でも、同じく秋に大名の子孫を集めた殿様サミットを予定している。

晩年の勝海舟。若い頃から晩年まで、遺された写真のどれを見てもイケメン。墨田区役所前に立つ海舟像もべらぼうにイケメン。さすが女性との浮いた話も多かった。


23区に限らずほかにも東京都内の各地で、今年は幕末や維新150周年に関連した様々な企画が準備されている。【ボクらの維新通信社2018】もますます幕末維新熱を高めて、節目のこの年を盛り上げていくぞ!

都内の龍馬スポット調査報告会


と、燃えに燃えている通信社では、今日も今日とて幕末維新好きの俳優や歴ドル、声優からなる幕末ミステリーリサーチ、通称“BMR”の会議が行なわれていた。

この記事から2回前の#02では、初芝かやの隊員と桜丘真衣隊員が坂本龍馬にちなんだ“ちなみフード”を食べ歩き。晴野未子隊員は青山霊園で平井加尾、沢辺琢磨など、龍馬にゆかりの深い人々の「魂に会いに」行った。

前回の#03では隊長のロバート・ウォーターマンがお台場のマダム・タッソーで「さわれる龍馬」をレポート、マペヲ隊員はおじさまたちの憩いの町・新橋で、坂本龍馬・おりょう・岡田以蔵をテーマにした3軒の飲み屋をご紹介。

それぞれが調査した「東京都内の龍馬スポット」を報告しあうBMR隊員たち。彼らのめぐったスポットを地図で結んでみたところ……!


今回はその総決算となる調査報告会として、各隊員が自分の調査を振り返りつつ、語り漏らしたネタやほかの隊員の調査を評価したりしていた。食べ歩きチームは当然ながら、新選組のちなみフードが混ざっていた点をツッコまれ、隊長は「都内限定」なのに横須賀まで足を伸ばしたルール違反を叱られ、マペヲ隊員は日程が合わずオーナーのインタビューを撮れなかったことを注意され、まじめな未子隊員はキッチリ仕事は果たしたものの、本当は後藤象二郎目当てだったことを見透かされ……。

そんなダメ出しが飛び交うなか、この企画の担当編集であるドイさんが、ふと呟いた。

「みんなの行った所を結んで、シンボルとかマークになったらおもしろいですね」

思いつきから小さな奇跡!?


出力した地図を手にガクガクブルブルのかやの隊員。期待が膨らむ!


「それおもしろそう!」「何かになるかな?」「やってみましょう!」

ドイさんの思いつきにノリノリで食いつき、隊員たちはさっそく調査地点を地図から探し出し、ロバート隊長が愛用(酷使)のノートPCでピンを打っていく。そしてそれらを線で結び、隊長はかやの隊員に出力を命じた。はたして何かが浮かび上がってくるのかッ!?

東京湾の西岸に沿って南北に伸びた文様。都内縛りのルール通りだったら、もっとマシなカタチになったはず。犯人は無論、勝手に横須賀に行ったロバートである。


「こ、これ!」

かやの隊員が震えながら地図を差し出す。期待に胸を高鳴らせる一同。しかし目に飛び込んできたのは、長ーくニョロっと伸びた何か。ピンを線で結んでいた時から、出力した地図を持ってきた時から、内心イヤな予感はしていた。でも、もしかすると何かシンボルっぽいものにまとまってくれるんじゃないか。しかし淡い期待は打ち砕かれ、作戦会議室に重い空気が立ち込める。

「龍や……龍」

しじまを破り、マペヲ隊員が苦しげに吐き出す。「龍馬の、龍?」。未子隊員も同調する。言われてみればそう見えてくる不思議。そうだよ(もう)龍でいいじゃないか! 言い出しっぺのドイさんに詰め寄って、強引にこの件を着地させた一同であった。

しかし一切打ち合わせナシに、5名の隊員がてんでバラバラに調査地を選び、思いつきで地図に起こしてみたにしては、「言われてみれば龍っぽく見える」この結果は、小さな奇跡とも言えるのではなかろうか? 最後に誰かが言った「タツノオトシゴ」で、今はもうソレにしか見えなくなってしまったが。

突然始まる龍馬の誕生を祝う会


未子隊員お手製の巨大カステラ。料理好きの彼女は、時折こうして手作り幕末フードを差し入れしてくれるのだ。


せっかく坂本龍馬がテーマなのに、龍でもないタツノオトシゴで締めるのはイヤ! 「こんなこともあろうかと」と高知出身の未子隊員が取り出したのは巨大カステラ。時期ははずれているが、みんなで龍馬を語れる場だから、遅ればせながらの誕生祝いをしましょ♪ と手作りしてきていたのだ。

それもただの手作りじゃない。このカステラは、海援隊の記録に載っているレシピの通りに作ったものだという。つまり、この味を龍馬たちも味わったかもしれない! 一瞬にしてテンションフルMAXになるBMR。それぞれに幕末の推しメンがいる隊員たちだが、幕末に親しむ者の公約数として、あるいは一般教養として(程度の差はあれ)龍馬が好き、あるいは認めている。読者のみなさんにも「一番好きな幕末の人物」がいて、でもだからといって龍馬を嫌いではないんじゃない?

龍馬を熱く語るマペヲ。新選組、ペリー、後藤象二郎など推しメンの異なる隊員たちも、いつしか龍馬を語り出す。公約数としての龍馬。BMRはこの観点で今後も考察する。


テーマの発案者であるマペヲ隊員は、今回の調査ファイルでこのことを問いかけたかったのだと力説する。熱くなりすぎてイマイチ何言ってんだかわかんなかったので、動画ではバツっと切らせてもらった。が、カステラを食べながら「なぜ龍馬に惹かれるのか」を語り、また隊員たちに問いかけた。創作されたフィクション・キャラとしてではなく、史料を読み、史実に当たり、実在した真の姿を知ってなお、龍馬には一等星の輝きがあるのだと。

幕末に興味のない人でも、坂本龍馬を知っている。惹かれるものを持っている。だからこそ、ゆかりの場所にもそうでない場所にも、龍馬スポットは溢れているのだと。今回のテーマで我々が紹介した以外にも龍馬スポットは全国各地にいっぱいある。この記事を読んだみなさんにも、ぜひ探して足を運んでみてほしい。そして見つけたら、ツイッターでボクたちに教えてください。

【ボクらの維新通信社2018】公式ツイッター ⇒ https://twitter.com/bokura_bakumats/

今週の『西郷どんナナメ斬りッ!』


肝心のドラマで“幕末維新”が薄い回は、トークテーマ探しに苦労します……。


毎週、NHK大河ドラマ『西郷どん』を観て、通信社メンバーが「ドラマをより楽しむためのアングル」を提案している好評コーナー。史実とドラマの違いや、人に語りたくなるウンチク、大河ファンとしてのキャッチーな目線、役者や演出家ならではの「あのシーンに込められた意図」などなど、盛りだくさんでお届けしてます。毎週撮って出しで!

今回は、渡辺謙が強烈にダメ出ししていた薩摩のレンガや、BMRで「どん頃・坂本龍馬(19歳)の足跡」をたどっていた話、そしてまたしても佐賀藩のオーバーテクノロジーっぷりがスゴい話など、きっとよそにはない内容ばかり。

どん頃を先取り!? 動画はこちら ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=3Vp6U95tmW4

佐賀藩といえば、去る2月25日、忍者研究の第一忍者、いや第一人者の三重大学・山田雄司教授らによって、支藩の蓮池藩士・古賀源太夫が忍者だったと認定されたばかり。古賀は、安政年間に長崎に来航した英国船を調査していたという。当時最も西洋化していた佐賀藩が、同時にニンジャを使っていたというミスマッチ。幕末維新期の佐賀、おもしろすぎるので今後も取り上げていきます。

動画の※印説!


【※1 BMRとは】幕末好きの俳優、声優、歴ドルたちを中心とする通信社内のサークル。動画ロケとトークを軸に幕末維新の様々な謎を体当たり調査している。よりアカデミックに、史実アプローチで討論するコーナーも準備中。

【※2 海援隊のレシピ】

海援隊の『雄魂姓名録』に、龍馬たちが調べたカステラのレシピが載っている。


『坂本龍馬關係文書 第二』収録の『雄魂姓名録』は、坂本龍馬や海援隊士が書き遺した雑記帳。その中に「カステイラ仕様」として「玉子百目 うとん七十目 さとふ百目 此ヲ合テヤク也」と記載されている。目という単位は、10の倍数にのみ匁の代わりに使われる単位表記で、1匁が3.75グラムだから「百目」は375グラム。ハードコアなレシピだが、とてもおいしかったのは未子隊員の腕だろうか?

【※3 幕末維新博】「志国高知 幕末維新博」のこと。平成31年3月31日まで開催中の、高知県をあげての巨大イベント。高知城歴史博物館と、今年4月21日にリニューアル・オープンする坂本龍馬記念館をメイン会場に、県内の多数のアミューズメントスポットやミュージアムが連携。咸臨丸の桂浜クルーズや各会場をめぐるスタンプラリーなど、見どころが盛りだくさんだ。期間中は歴史・文学系のミュージアムが、頻発かつ軒並み特別展を行なっていて、効率よく「土佐の幕末維新」を見て回れる。

【ボクらの維新通信社2018/ロバート・ウォーターマン(KUROFUNE-United)】

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