幕末ミステリーリサーチ File2 西郷どんも絡むタマの痕!?~完結編 #04彰義隊・真冬の怪談

東京ウォーカー

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明治維新150周年をめいっぱい楽しむため、幕末のいろんなおもしろを発信している【ボクらの維新通信社2018】。今回は、4回にわたってお届けしてきた上野戦争・彰義隊シリーズの完結編です。

突如始まる彰義隊の怖~い話


西郷どんの上野戦争がテーマ! と聞いて、一人上野の西郷どん像に行ってしまった初芝かやの隊員(一番右)もようやく合流。


東京南千住の円通寺で、上野戦争の弾痕が無数に残る黒門を調査し、さらに境内に所狭しと立ち並ぶ旧幕臣たちの石碑をリサーチした「幕末ミステリーリサーチ」通称“BMR”【動画※1】。

作戦本部に帰って来てからも、黒門のナマナマしさを目の当たりにした興奮は冷めない。いま大河ドラマ『西郷どん』では明るく朗らかに描かれている西郷隆盛が、その十数年後にはあれほどまでに苛烈な戦いを繰り広げていた! 黒門の膨大な数の弾の穴は、そのリアルを伝えてくれている。

そんな感想トークがしばらく続いたところで、今回の調査ロケは終わりかと思いきや、BMR隊長ロバート・ウォーターマンが突然、こんなことを言い出した。

「彰義隊といえばこんな怖い話があるの知ってますか?」

BMRは、黒門から上野戦争の凄まじさを感じ取っただけではなかったようだ。上野戦争に敗れ、遺骸を弔うことも許されず、墓石に自分たちの名を刻むことができなかった彰義隊。この無念を語り切らなければ今回のリサーチは終われな~い! ということで、季節はずれの怪談がスタート!

真冬の怪談1:下谷電話局の怪


人はなぜ怖い話をする時、見た目も怖くなろうとするのだろうか? そして実際には本人が思うほど怖くなってはおらず、むしろオモシロ方向に行ってしまうのはなぜなのだろうか?


部屋を思いっきり暗くし、最低限の明かりで語り始めるロバート。本当は蝋燭を灯してやりたかったのだが、携帯のライトで我慢しつつ準備完了。おかげで今回の動画、ほぼ全編が暗闇のシーンになってますが、そこは雰囲気重視ってことで。

現在、NTT上野ビルの立つ一帯に、彰義隊にまつわるこんな怪談が残っている。関東大震災の時、同地にあった下谷電話局(当時)の建物も大きな被害を受け、再建を余儀なくされた。昭和元年(1926)に再建工事が始まったが、不慮の事故が相次ぎ、多くのけが人や死人まで出る事態になったという。このあたりの生々しさは動画参照のこと。

それだけではない。宿直の者が夜中に不審な音を聞いたり、武士らしき何かが枕元に立つのを見たり……。これはおかしい、この場所には何かある! と調べてみたところ、同地はかつて、彰義隊士・藤田重之丞の屋敷のあった場所だったことがわかった。

円通寺にある彰義隊の墓。前回の動画と記事でお伝えしたように、墓には隊士の名前はおろか隊名すら刻まれていない。


藤田は慶応4年(1868)5月15日の上野戦争は生き延びることができたが、その後行くあてもなく、自分の屋敷に身を潜めた。妻、従者、愛馬とともに。しかしやがて東征軍に見つかり、屋敷ごと焼かれて死んだのだという。それが5月17日のこと。そして再建工事で怪異が起きるのも、決まって17日。藤田重之丞が無念の死を遂げた日だった! この続きはぜひ動画を観ていただきたい。

いま改めて考えてみると、円通寺にある彰義隊のお墓にはたぶん藤田サンは入っていないんだな。前回までのBMRのリサーチでお伝えしたように、あそこのお墓は5月15日に上野のお山で戦死し、野ざらしにされた隊士を弔ったもの。その2日後に自邸で殺された藤田サンは、仏磨和尚たちに弔ってもらってなかったのだ。

この記事を書きながら、なんだか背筋が寒くなったのは気のせいだろうか。

必死に語るロバート隊長。しかしなぜか笑いを誘ってしまう。


真冬の怪談2:上に乗る男


続いて桜丘真衣隊員が、今度は自身の体験談を語り始めた。今回の調査ロケに備えて彰義隊について調べていたら……なんかきちゃったと。霊的なサムシングにつきまとわれてしまったと。こういう場に実体験を持ってくるヤツはたちが悪い。

その日、外出先で彰義隊の資料を読み込み、さて帰宅しようとした真衣隊員は背後にヘンなものを感じた。まあ、家に着くまでには消えるかなぁー、と思ったもののそいつは消えず、嫌だなぁーと思いながらも家に入ってアニメを見始めた。

すると突然、テレビから般若心境が流れてきた。そういうシーンのあるアニメだったのだが、慌ててチャンネルを変え、そろそろ寝ようとしたところ、何かが上に乗ってくる。跳ねのけようとしてもしつこく絡んできて、さらに首をさわさわ触られ、挙げ句、締められてしまったそうな。

髪は長い、色は白い。おまけにライトで下から照らされ、幽霊感溢れる真衣隊員。一応確認したが、この映り方は本人的にはNGではないらしい。


ドン引きの初芝かやの隊員をよそに話は続く。BMR一行は気づかなかったが、ここで不思議現象が起きていた。一度、怖がるかやの隊員の希望で照明を増やしたのだが、なぜか勝手に消えていた。動画編集の際に初めてわかった。ま、気のせい気のせい。

連れ帰ってしまったサムシングは、朝になったら消えていたそうだが、あれは彰義隊の霊だったのではないかと真衣隊員は言う。資料を読みながら同情してしまっていたし、「話を聞いてくれ」と何かを伝えたそうな感覚があったそうだ。と言いながら、本人はこれでも霊感がないほうだってんだからなあ。

しかし途中から、男性陣にはなんだか別の話に聞こえてしまって仕方なかった。男がついてきて、家の中に上がり込み、上から乗っかって、首をさわさわ……。そういうプレイだったんじゃないの? 霊感のない男たちはデリカシーもないのか。

最後は笑けるシメになったが、今シャンシャンやNHK大河の主人公の銅像を見るため大勢の人で賑わう上野で、ほんの150年前、凄まじい戦いがあったということ。互いに正義だと信じたが、一方は今なお墓に名前すら彫られていないこと。その延長線上の現代を僕らは生きているのだなあ。

NHK大河でぶっちゃけトーク『西郷どんナナメ斬りッ!』


先週は東京に大雪が降ってメンバーが集まれず、収録が飛んだこのコーナー。そのため今回は第3、4話をまとめ語りだ。編集の都合で第4話のトピックだけになっちゃったけど。期待しているドラマゆえに、ちょっぴり苦言も飛び出した今回のナナメ斬りは!?

このコーナーの収録場所はテント屋台。収録中は暖房器具をオフにするため、寒さに震えながらナナメ斬っているのだ。


次回予告! 東京都内の坂本龍馬を探せ!


次回はBMR隊員たちが東京都内で出会える坂本龍馬スポットを調査! 史跡ありグルメあり手作りお菓子ありのレポートのはずが、担当編集ドイさんの何気ないひと言で話は奇妙な方向に!? 次回も乞うご期待!

動画の※印解説!


【※2 下谷電話局】下谷電話局は、明治36年(1903)に開業した交換局。関東大震災で損壊し、その後に昭和元年(1926)に再建工事が始まった。今回の怪談はその当時のお話だ。

【※3 藤田重之丞】工事の当時、怪異の原因を調査する過程で上野の寛永寺でも聞き取りが行なわれ、現場が藤田重之丞の屋敷跡であることがわかった。藤田サンは彰義隊の資料にも記載が少なく、BMRは引き続き詳細を探しています。ご存じの方は通信社公式ツイッターにつぶやいてください。

【※4 無音室】アニメやゲームの音声収録に使われるスタジオは、限りなく無音に近づけるために密閉率が非常に高くされている。扉を閉めると外界の一切から遮断されるような、独特の圧迫感がある。真衣隊員が感じたのはこの感覚だったという。

【ボクらの維新通信社2018/ロバート・ウォーターマン(KUROFUNE-United)】

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