被災者の声から生まれたYou-SuKeの楽曲「じいちゃんの海」がリリース!

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

農業を営みながら音楽活動を続ける異色のシンガー・ソングライター、You-SuKe(ユウスケ)が、東日本大震災をきっかけにしたシングル「じいちゃんの海」を9月28日にリリースした。

You-SuKeは、農業と音楽を生活の基盤に、「自然」と「人」をテーマに活動するシンガー・ソングライター。2007年、タワーレコーズインディーズチャート初登場10位を記録したミニアルバム『いつかの衝動』をリリース。その後、自主制作を含むシングル3枚を発表し、2010年からは自身の農業体験などから「農」をテーマにした曲なども作曲している。

「じいちゃんの海」は、東日本大震災の被災地でボランティア活動をしたYou-SuKe自身の体験が基になって生まれた曲。3月下旬、You-SuKeは友人2人と共に、自分の畑で採れた野菜とギターを車に積んで被災地へ。宮城・気仙沼市唐桑で、昼はガレキの撤去や炊き出し、トイレ掃除などを行い、夜は避難所で曲を披露するという生活をしていた。避難所生活を送る90人ほどの前でオリジナル曲の「ばあちゃんの畑」を歌ったところ、涙まじりに聴いていた人から「『ばあちゃんの畑』があるなら、『じいちゃんの海』も作って聴かせてほしい」という声が上がったという。1週間のボランティア活動から帰宅したYou-SuKeの心に、“震災で心の傷を負った被災者の希望をかなえたい”という気持ちと、長く険しい復興への道のりが自身のシンガーとしての夢と重なり、“自分の夢に挑む姿勢が被災者の励みになるかもしれない”という気持ちが湧き上がり、「じいちゃんの海」制作へとつながったという。

だが、タイトルは決まったものの、もともとは“畑人”のYou-SuKe。海のイメージがまったく湧かなかったので、7月に再び唐桑を訪れ、ボランティア活動をする傍ら、漁師に話を聞いたり、漁船に乗せてもらったりと、2泊3日ながらも濃密な海での暮らしを体験した。その結果、曲と同時に歌詞も自然に湧き上がってきて、約1週間で書き上げることができたんだとか。それでも満足がいかず、8月に再び唐桑へ足を運び、曲の中の世界観を現地で再確認する作業を行った。

「津波の被害を受けた場所ではガレキなどは片付きつつもありますが、原発の問題は全く解決していません。被災地復興にはまだまだ長い時間と大きな力が必要です。一人ひとりの力は小さくても、一人ひとりが強い想い、意志を持って行動すれば必ず大きな力になっていくものだと思っています」とエールを発し続けるYou-SuKe。被災地で多くの人から聞いた被災体験や、それまでの暮らしなどをライブで話すなど、多くの人に被災地の実情を知ってもらうべく努めている。

ちなみに、今回の「じいちゃんの海」は、売上金の一部を復興支援に寄付し、さらには、従事者の高齢化と後継者問題に悩む、農業界や漁業界などの第一次産業への支援にも充てるという。You-SuKeは「今回の地震で家族や大切な人を亡くした方、家や職を失った方、いまだ地元に戻ることさえできない方々がたくさんおり、言葉がありません。変わらず厳しい状況が続いていますが、被災地で出会った方々の強い意志には逆に勇気づけられることがたくさんありました。僕にできることはきっともっとたくさんあるはず。微力ながらこれからも応援させていただきます」とメッセージを寄せている。

今回は、レコーディングがされていなかった「ばあちゃんの畑」とともにWシングルとしてのリリース。今後は、10月30日(日)に、バンドメンバーとともに唐桑で「じいちゃんの海」発表コンサートを実施。さらに、11月に開催される「ファーマーズ&キッズフェスタ2011」に参加し、11月20日(日)には会場の東京・日比谷公園にあるステージでライブも行う予定だ。被災者の夢と希望を詰め込んだ「じいちゃんの海」が、多くの支援のもと、大きく羽ばたこうとしている。【東京ウォーカー】

この記事の画像一覧(全16枚)

キーワード

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

花火特集

花火特集

全国約800件の花火大会を掲載。2024年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!

花火大会人気ランキング

ページ上部へ戻る