約70年ぶりとなる国宝「瑠璃光寺五重塔」大改修の機会を活用した空間アートプログラム『昇華-shouka-大内文化』が山口市で開催中

東京ウォーカー(全国版)

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山口県山口市にて、空間アートプログラム『昇華-shouka-大内文化』が開催中。本プログラムは、国宝瑠璃光寺五重塔の約70年ぶりとなる檜皮葺屋根全面改修の機会を活かし、五重塔が持つ歴史的な価値を市内外に発信することで、観光地としての認知度や魅力度の向上を図っていくもの。同時に、五重塔がある香山公園への観光誘客の促進も狙う。

「瑠璃光寺五重塔」大改修の機会を活かした空間アートプログラム『昇華-shouka-大内文化』が開催中


国宝瑠璃光寺五重塔 令和の大改修について

山口県のほぼ中央に位置し、豊かな自然や歴史が共存する文化都市である山口市。室町時代、周防・長門の守護となった大内弘世は憧れの京の都に模した街づくりをするため、京都盆地に似た山口市に本拠を移したといわれている。その後、大内義興が大陸貿易の利権を握り、西国一の大名となり、文芸や学問を深く愛した大内義隆の時代にはサビエルへキリスト教の布教を許可。これにより、京や大陸の文化に刺激を受けた山口独自の「大内文化」が生み出された。

大内弘世公の像


山口市のシンボルともいえる国宝瑠璃光寺五重塔は、1442年(嘉吉二年)に大内義弘の供養塔として建立。その美しい姿は日本三名塔のひとつに数えられ、大内文化の最高傑作として国宝に指定されている。瑠璃光寺五重塔は建立以来600年近くもの長い間、修復を重ねることでその美しさを後世へと受け継いできた。

山口市の観光のシンボル・国宝瑠璃光寺五重塔


そして今回、所有者である宗教法人瑠璃光寺は、経年劣塔への対応を実施。次の世代へ引き継ぐために必要な保存修理とともに、文化財建造物の保存修理を支える伝統化への対応として約70年ぶりの檜皮葺屋根の全面葺き替え工事を行う。この工事は、国宝瑠璃光寺五重技術継承の場にもなっている。

大内文化を体験できる空間アートプログラムを紹介!

『昇華-shouka-大内文化』では、「大内文化」を花開かせた大内氏のマインドが空間アートに昇華する6つのプログラムを実施。

瑠璃光寺五重塔を建立し、京や明(みん)などの国内外の都市との交流を盛んに行うなかでさまざまな文化を柔軟に取り入れるなど、独自の文化を生み出しながら山口の街の基礎を築いた大内氏。そのマインドを、従来の慣習にとらわれず、自ら進んで革新に挑む「進取の気風」と捉え、多種多様なカラーで表した空間アートとして幻想的な空間演出を行っている。

1. 五重塔デザインシート(開催中~2026年10月予定※工事の進捗状況による)
改修中、31.2メートルの高さを持つ瑠璃光寺五重塔は特別にデザインされたシートで覆われている。「大内氏の思想を纏(まと)う五重塔」をテーマに、五重塔を建立した大内氏の武家としての荒々しさや文化人としての繊細さ、多様な文化を取り入れた柔軟性など、大内氏の思想を表現している。

実寸大の五重塔を白抜きで表現し、訪れた人が五重塔を自由にイメージできるデザイン


2. 大内氏と五重塔がわかる「時代絵巻」(開催中~2024年3月)
改修中の工事用仮囲いに高さ2メートル、全長27メートルの「時代絵巻」を展示。山口県出身のイラストレーターtaecoさんの親しみやすいイラストで、五重塔と大内氏の歴史を楽しく学ぶことができる。

五重塔の歴史や大内氏の年表を親しみやすいイラストで紹介


3. 大内氏の栄華を表す花のモニュメント(開催中~2024年3月)
香山公園に、大内氏の家紋「大内菱」をモチーフとした竹製モニュメントを設置。さまざまな花木を配置し、山口を中心に繁栄を築いた大内氏の歴史を季節とテーマにあわせて3期にわたり表現する。

大内氏の家紋「大内菱」をモチーフとした竹製モニュメント[第1期]


4. ARで出現!切り絵で魅せる五重塔(開催中~2024年3月)
スマホアプリ「COCOAR」で「五重塔デザインシート」を読み取ることで、山口県出身の切絵アートクリエーターAtsuomiさんによる五重塔の切り絵アートが出現。制作過程をタイムラプス動画で楽しめる。また、制作された切り絵作品の実物は、実際に瑠璃光寺本堂で見ることができる。

超絶技巧!スマホアプリで「五重塔デザインシート」を読み取ると出現する切り絵アート


5. 昼の空間演出「大内文化 思想をめぐる道」(12月23日~2024年2月25日)
大内氏の思想と文化を感じ取れる空間演出として、香山公園の池周辺には「大内文化 思想をめぐる道」を展開。

【画像】12月23日から登場!香山公園の池周辺に設置される「和歌のカーテンゾーン」


これは歴代当初が勅撰集に入集するなど、和歌に長けていた大内氏の和歌を展示した「和歌のカーテンゾーン」と、アクリル板を使用した「ステンドグラスゾーン」で構成される。「ステンドグラスゾーン」のアクリル板を通して白いカーテンに写し出される色彩豊かな光は、大内氏が異文化のキリスト教や京都の文化を柔軟に吸収しながら繁栄していった様子を表現している。

色彩豊かな光が映し出される「ステンドグラスゾーン」が登場


6. 夜の空間演出 プロジェクションマッピング(2024年1月19日~1月28日)
さまざまな文化を取り入れ、山口を繁栄させた大内氏の思想や、山口に惹かれ訪れた歴史上の人物を表現したプロジェクションマッピングは、「五重塔デザインシート」をスクリーンに映し出され、「大内文化 思想をめぐる道」には、煌めく色彩豊かな光が照らされる。会場が幻想的な光の世界に包まれる夜間イベントは、10日間限定で開催される。

夜は1月19日~1月28日限定でプロジェクションマッピングも


今回の企画について担当者に話を聞いてみた。

「(今回の企画の狙いは?)山口市の観光のシンボルともいえる国宝瑠璃光寺五重塔が、約70年ぶりの檜皮葺屋根の全面改修工事を行うこの機会を活かし、瑠璃光寺五重塔が持つ歴史的な価値や山口の街を繁栄させた『大内氏』および『大内文化』を市内外に発信することです。瑠璃光寺五重塔がある香山公園へのさらなる観光誘客を促進することを目的としています」

「(今回の企画のイチオシは?)2023年12月23日(土)から2024年2月25日(日)まで開催される『大内文化 思想をめぐる道』です。これは、大内氏の歴代当主が勅撰集に入集するなど和歌に長けていたことから、和歌を通して大内氏の思想と文化を感じとれる『和歌のカーテンゾーン』と、キリスト教や京都などのさまざまな文化を吸収しながら繁栄していった様子を表す『ステンドグラスゾーン』で構成されており、そのほかのスペースは白いひも状の『ストリングスカーテン』で覆われ、来場者は没入感ある体験ができます」

「(ユーザーへのメッセージは?)今しか見られない国宝瑠璃光寺五重塔の姿と、ここでしか体験できない空間アートプログラムを通じて、山口の街が大切にしてきた『大内氏』『大内文化』を知ってもらう機会になると嬉しいです」

瑠璃光寺五重塔の改修工事完了を心待ちにしながら、山口市に息づく大内文化を体感できる特別な本プログラム。この貴重な機会に、ぜひ体験してみてほしい。

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