「自分を動物に例えると？」「私は狂暴なクマです」モンスターすぎる“新卒あるある”4コマに爆笑【作者に聞く】

社会人になりたての頃は右も左も分からないもの。会社に不慣れな新入社員は仕事のルールやマナーに戸惑いながら、社会人のいろはを経験していくもの。そんな常識を打ち破る、やりたい放題の「新卒ちゃん」がいて――!?

きゃた( @kyata_ti666 )さんの「新卒の日常」シリーズは、新卒社員の女性「新卒ちゃん」を主人公にした4コマ漫画だ。不採用を告げられた面接でもあくまで上から目線、先輩へは“拳”で挨拶、研修では名刺を放り投げたりと恐れるもののない新卒ちゃんをはじめ、どこかおかしい人たちが“社会人あるある”をぶち壊していくギャグ作品。Twitter上では10万件以上のいいねを集め、pixivマンガ月例賞(2023年4月投稿分)の優秀賞を受賞するなど注目と笑いを呼んでいる。

ウォーカープラスでは作者のきゃたさんに、同シリーズが生まれたきっかけや作品制作の裏側をインタビューした。

「悲しき就職モンスター」全てがでたらめな“新卒ちゃん”の日常

「新卒の日常」シリーズのはじまりは、今年3月、きゃたさんが自身のTwitterに投稿した「面接4コマ1」に遡る。就職面接の場で、面接官から「自分を動物に例えると何ですか？」と質問された“新卒ちゃん”。「私は狂暴なクマです」と言いのける新卒ちゃんは、言葉にたがわず面接官に襲いかかってしまう。あっという間に自分が人間であることすら忘れた新卒ちゃんに、「これがあなたの履歴書です!!」と見失った自分を取り戻させようとするという衝撃のオチが描かれる。

投稿には10万件のいいねとともに、「あるあるですね」「自己分析が足りないとこうなるのか」「悲しき就職モンスター」と読者の当惑やツッコミが数多く寄せられた同話。きゃたさんはその後も続編4コマを制作し、何の因果か襲い掛かった会社に採用されてしまった新卒ちゃんが、まさに「狂暴なクマ」にふさわしい暴れぶりを発揮するシリーズとなっている。

一方、平和な会社を新卒ちゃんがかき回すというわけでもなく、挨拶代わりに鉄拳を振るおうとした新卒ちゃんを残像を残すスピードでかわす先輩や、新卒ちゃんのめちゃくちゃな寝言に影響されてしまう同期の社員など、登場人物はどこかネジが外れたキャラクターばかり。新人研修や雑用、歓迎会といった「新卒の日常」を、彼女たちが予想の斜め上を行く形で経験していく様子が笑いを誘う作品だ。

「とにかくめちゃくちゃな世界観に」予想を裏切る展開への意識

SNS上でオリジナルの4コマ漫画を中心に作品を発表し、たびたび注目を集めている作者のきゃたさん。「ちょうど新卒シーズンだったので、面接で4コマを作ろうと思い描きました」と、第1話にあたる「面接4コマ1」を描いたきっかけを振り返る。

タイトルに「1」と銘打たれていた通り、最初の面接4コマ自体は続きに当たる話を用意していたきゃたさん。一方、読者からの反響はきゃたさんの予想を上回ったそうで、「2～3本作った4コマを投稿したら全部予想以上に伸びたので、このままシリーズ化してしまおうと思った感じです」と、新卒ちゃんが入社したあとの姿もシリーズとして制作を続けるようになったという。

作品制作では「常識を壊さないとおもしろいと感じてもらえない」という考えから、本シリーズ以外でも予定調和を裏切るオチや展開を描いているきゃたさん。一方、これまでは1作品ごとにキャラや設定が異なる4コマを描くことが多かった。そんなきゃたさんは、「新卒の日常ではとにかくめちゃくちゃな世界観にするようにしています」と、シリーズ作品ならではのアプローチを話す。

Twitterをはじめ、pixivマンガ月例賞にピックアップされるなどますます話題を呼ぶ同シリーズ。こうした反響にきゃたさんは「自分が思っている以上にたくさんの人に読んでいただけているのでとてもうれしいです」と感謝を告げるとともに、「これからもこの“新卒”シリーズは続けていこうと思っております」と今後の展望を教えてくれた。

取材協力：きゃた(@kyata_ti666)