今しか楽しめない夜の国宝!ライトアップされた京都・西本願寺が美しすぎると話題!

関西ウォーカー

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桃山文化の代表的建造物がそのままの姿で残る、西本願寺。その京都が誇る世界文化遺産では、第25代専如門主の伝灯奉告法要を記念して、夜間参拝・特別拝観「灯奉告法要 西本願寺花灯明」が、4月25日(火)〜5月2日(火)、5月9日(火)〜16日(火)、5月24日(水)〜31日(水)の計24日間、開催されている。

203畳敷きの大広間「鴻の間」(国宝)


イベントの目玉は、まもなく改修工事が行われるため、しばらく非公開となる飛雲閣、そして、普段は非公開の国宝「書院」など、歴史的建造物のライトアップ。また、境内に設けられた、フレンチの名店が監修する期間限定のカフェでは、紅茶やパフェなどが用意され、鑑賞後の夜お茶も楽しめる。

そこで、夜だからこそ味わえる、特別な景色や雰囲気が体感できるライトアップの魅力を、美しい写真満載で臨場感たっぷりにレポートします!

昼とは違った姿に目を奪われる「御影堂」


【写真を見る】荘厳な光に照らし出された西本願寺・御影堂のライトアップ


【御影堂(国宝)】中央には親鸞聖人の木像、左右には本願寺歴代門主の御影が安置された「御影堂」も美しくライトアップ。1636年に再建された東西48メートル、南北62メートル、高さ20メートルの巨大な建造物の昼とは違った姿に目を奪われ、荘厳さを感じることができる。<撮影可>

堀川通沿いの築地塀には被災した熊本の竹が使われた「竹あかり」も展示されている


御影堂門の周辺には、熊本地震の復興支援として、熊本の竹を使用した光のオブジェ「竹あかり」が飾られている。様々な模様が掘られた竹が組まれたオブジェは、目を楽しませてくれる。

「飛雲閣」の水面に映る美しい光景に感動!


金閣・銀閣とともに“京都三名閣”と呼ばれる「飛雲閣」。灯にともされ池の水面に映る光景も圧巻


【飛雲閣(国宝)】金閣、銀閣とともに、京都三名閣の一つに数えられる「飛雲閣」。豊臣秀吉が建てた、聚楽第の一部ともいわれる三層からなる楼閣建築も、ライトアップで見事な姿を見せてくれる。池の水面に建物が映る美しい光景は、夜間拝観でしか見ることができないので、ぜひ堪能しよう!<撮影可>

「飛雲閣」は豊臣秀吉が建てた聚楽第の一部ともいわれている


左右非対称の造りとなっている飛雲閣は、角度を変えることで違った表情を見ることができる。ライトアップ時は建物の中の絵画も、より一層と幻想的な雰囲気を醸し出す。

「飛雲閣」は修復が予定されているので今後は当分非公開。見るなら今のうちに!


庭を歩けば大きな鐘の「鐘楼」が現れたり、木の間から除く京都タワーとの共演が楽しめたりと、行かなければ体感できない驚きが楽しめる。飛雲閣は今後改修予定で、当分の間は非公開となるので、この機会を逃さずに!

初の夜間公開「書院」で国宝の中に立つ!


初の夜間公開となる「書院」は、日本最古の能舞台など、歴史的・学術的にも価値の高い重要文化財や国宝が多く、普段は非公開。美しい障壁画や襖絵、欄干に天井と、365度どこを見ても美しく、鴬張りの廊下や畳を歩きながら見る世界は、まるでアートの中に包まれているかのようだ。

重要文化財の「南能舞台」は現存する日本最大の能舞台。江戸時代前期の1694年に建てられた


【南能舞台(重要文化財)】書院の入り口から「虎の間」を通り、左手側に見えてくるのが、江戸時代前期の1694年に建てられた切妻造りの「南能舞台」。現存する日本最大の能舞台は、奥に描かれた美しい松の木に注目してほしい。ライトアップされて、松の木が光に照らされて浮かび上がってくる様は圧巻。

国宝「鴻の間」は203畳敷きの対面所。奥には中国の故事を表す絵が逆遠近法で描かれている


【鴻の間(国宝)】上下段の境の欄間に雲中飛鴻の彫刻があることから「鴻の間」と呼ばれている、203畳敷きの大広間。奥には中国の故事のエピソードが、“逆遠近法”という絵画手法で描かれている。

「鴻の間」には天井にも精密な細工と絵が描きこまれている


鴻の間の天井にも精緻な装飾と絵が施されている。

「鴻の間」の側面には金箔貼りの上から松の木と鶴が描かれている


襖と壁面には金箔の上から松と鶴が描かれている。湿地や平地などに生息する鳥である鶴が、松の木に留まっているという変わった情景がモチーフになっている。

「鴻の間」の西にある国宝「雁の間」。襖と壁面には飛翔する雁の群れや水辺に遊ぶ雁が描かれている


【雁の間(国宝)】秋の風趣が表現された「雁の間」は、襖と壁面に飛翔する雁の群れや水辺で遊ぶ雁を描かれている。

「雁の間」と隣にある「菊の間」の境にある欄間には飛翔する雁の透し彫りが。「雁の間」から見ると「菊の間」に描かれた月が眺められる


隣接する「菊の間」との間にある欄間には、雁の透し彫りが施されている。透し彫り越しに、菊の間に描かれた月を眺められるという風情たっぷりの仕掛けも感動的だ。

国宝「白書院」は3つの部屋が一列に並ぶ


【白書院(国宝)】「鴻の間」の北裏にある賓客を迎えるための「白書院」。一の間、二の間、三の間という3つの部屋が一列に並んでいる。

「白書院」は賓客を迎える部屋で中国の故事や孔雀の絵が描かれている


白書院の三の間は、襖に描かれた華麗な孔雀の絵から通称“孔雀の間”とも呼ばれている。

「白書院」の北側にある国宝「北能舞台」。現存する日本最古の能舞台


【北能舞台(国宝)】白書院の北側にある「北能舞台」には、天正9(1581年)年の墨書銘がある。現存する日本最古の能舞台とされている。

特別名勝「虎渓の庭」は中国廬山を模して造られた江戸初期の枯山水庭園。御影堂の屋根を廬山に見せる借景の技法が用いられている


【虎渓の庭(特別名勝)】「虎渓の庭」は、中国・廬山を模して造られた江戸初期の枯山水庭園。奥に見える御影堂の屋根を山に見立てることで廬山を表現している。

国宝「狭屋の間」は東・西・北に位置する細長い部屋。天井には書物や花が描かれている


虎渓の庭が眺められる「狭屋の間」も国宝に指定されている。天井には西本願寺が所蔵していた書物や巻物、花などが描かれている。

書物をネズミにかじられないようにと「東狭屋の間」の天井に描かれた猫。どこから見ても目が合うことから「八方睨みの猫」と呼ばれる


天井画の中に描かれている猫は、書物や巻物をネズミから守るために周囲に睨みをきかせている。この猫は、どこから見ても目が合うため、“八方睨みの猫”と呼ばれている。

工芸品のような国宝「唐門」の美しさに見惚れる!


国宝「唐門」は黒漆の柱や梁に極彩色の装飾彫刻が映える豪華な四脚門


桃山時代の豪華な装飾が施された「唐門」は、黒漆の柱や梁に、極彩色の装飾彫刻が映える豪華な四脚門。<撮影可>

随所に施された彫刻は精緻な飾金物とともに工芸品のような美しさ


門には唐獅子や麒麟、牡丹の透かし彫りなどが随所に施されている。

「本願寺 おてらかふぇ&まるしぇAKARI」で夜お茶を楽しむ!


「本願寺 おてらかふぇ&まるしぇAKARI」は花灯明期間中は19:00〜21:30も営業(ただしカフェはドリンクと一部のデザートのみ販売)


御影堂の前にある期間限定の飲食・物販施設「本願寺 おてらかふぇ&まるしぇAKARI」も、夜間の特別拝観に合わせて営業中(19時〜21時30分)。カフェは、8年連続ミシュランの星を獲得したフレンチの名店「リュミエール」の唐渡泰オーナーシェフが監修。夜は、スイーツや老舗紅茶ブランド「ダマンフレール」の紅茶が味わえる。

境内の「本願寺 おてらかふぇ&まるしぇAKARI」で提供される「美肌パフェ ダマンリュミエール紅茶風味」(900円)


桜をテーマにしたデザート「美肌パフェ ダマンフレール紅茶風味」(900円)は、ルイボスやレーズン、チアシードなど、体に優しい素材が味わえる女性に嬉しいスイーツ。ほかにも、ぜんざいやソフトクリームを用意。

「本願寺 おてらかふぇ&まるしぇAKARI」では京都の名店約30店舗が集結したマルシェにも注目


京都名産が一堂に集まるコーナーでは、井筒八ッ橋本舗の「生八ッ橋・夕子」や、西利の「京つけもの」、マールブランシュの「茶の菓」など、京土産の人気商品も並ぶ。

貴重な飛雲閣や書院など、普段は非公開の場所が堪能できる「西本願寺花灯明」。静寂に包まれた中で、虫の音や草木の匂い、廊下の感触などを確かめながら、楽しむことをおすすめしたい。【関西ウォーカー編集部/スズキヒロシ(取材・文)、サダマツヨシハル(カメラ)】

スズキヒロシ

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