1日100個限定!崎陽軒「シウマイ弁当」の関西版は、ダシの味わいが絶妙

関西ウォーカー

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ホタテと豚肉の豊かな風味がおいしい「昔ながらのシウマイ」で知られる崎陽軒は、全国的に名をはせる横浜のローカルブランドだ。この崎陽軒の名物として、シウマイと共に好評を博しているのが「シウマイ弁当」(860円)。東京駅の駅弁でも常に売り上げ上位に入るほどの人気商品ゆえ、おみやげや車中のおともに購入したことのある人も多いだろう。看板商品のシウマイをはじめ、鶏の唐揚げ、玉子焼きなどこだわりがたっぷり詰まっている。

しかしながら販売エリアは関東一円のみ。それ以外の地域の人はなかなかお目にかかれない存在だったが、関西人に朗報!なんと崎陽軒のシウマイ弁当と、駅そばで知られる姫路のまねき食品株式会社(以下まねき食品)がコラボし、11月26日からJR姫路駅にて「まねき食品×崎陽軒 関西シウマイ弁当」(960円・以下関西シウマイ弁当)が発売中だ。

11月26日「まねき食品×崎陽軒 関西シウマイ弁当」(960円)が発売された

こちらは崎陽軒のシウマイ弁当。横浜を代表する弁当だ


「おいしいもので人を元気に」創業133年、姫路の老舗が崎陽軒とコラボ

まねき食品は明治21(1888)年に創業し、明治22(1889)年に全国初の幕の内駅弁を発売した老舗。現在は駅弁のほか、駅そばや仕出し、弁当などの製造・販売を行っている。この老舗が関西シウマイ弁当の発売に至った経緯やこだわりについて、同社営業部の岩本健司さんにお話を聞いた。

133年の歴史を持つ老舗・まねき食品は日本で初めて経木に入った幕の内駅弁を発売した(写真は同社の商品)

コロナ禍で始まった2020年代。緊急事態宣言が発令されて人の移動が激減した。旅行や観光業界には大打撃だ。もちろん、駅弁も例外ではない。「このままでは会社そのものも元気を失ってしまう」と考えたまねき食品の竹田典高社長は一計を案じ、以前から交流のあった横浜の崎陽軒を訪れた。

そこで提案されたのが、崎陽軒とまねき食品のコラボ商品。2020年3月のことだった。一見無謀にも思えた提案だったが、「おいしいもので人を元気にしたい」という竹田社長の熱い思いが崎陽軒サイドの共感を得て、今回のコラボレーションが実現することに。この瞬間を竹田社長は、「こんなうれしい瞬間は、いまだかつてありませんでした」と喜んだそう。

シウマイや唐揚げ、玉子焼きにも関西のダシ文化が生きる

「関西シウマイ弁当」は一折に関西らしさが詰まったシウマイ弁当。崎陽軒のおいしさに関西のダシ文化を掛け合わせた唯一無二の弁当だ

そこから発売まで1年半以上、双方のこだわりをすり合わせ、ようやく2021年11月26日に「関西シウマイ弁当」が発売。横浜を代表する味と創業133年の老舗の味が具体化するまでに、これだけの時間が必要だった。

特に心を砕いたのが、「この一折で関西らしさを表現するにはどうしたらいいか」。食材や調味料の選定、味付け、盛り合わせ方、色彩のバランスなど、細部までこだわりぬいて関西ならではの味を作り上げた。

まずはシウマイ。これは崎陽軒が関西風にアレンジした。見た目こそお馴染みのシウマイと同じ一口サイズだが、味付けは昆布ダシと鰹節で旨味を引き出している。さらに、豚肉には刻みレンコンを混ぜ込み、食感と風味に特徴を持たせることで、本家シウマイ弁当との違いを打ち出した。

そのほかのおかずは、まねき食品の担当だ。シウマイ弁当の準主役といえる鶏の唐揚げだが、関西シウマイ弁当ではすっきりした味わいのあごダシと淡口醬油で、しっかり味付けされている。さっくりした食感で中は柔らかく、噛むほどにダシの味わいが広がる。

さらに筍煮も本家のダイスカットから、関西では拍子木切りにアレンジし、姫路駅名物「まねきのえきそば」のダシを使用。駅そばファンにも見逃せない味だ。そして、弁当の中でも堂々たる存在感を示している黄色い玉子焼き。砂糖が入った甘い玉子焼きは、関西風のダシを効かせた塩味の出汁巻き玉子に変更し、随所に関西のダシ文化が生きる弁当を作り上げた。

こだわり満載の弁当だが、最も苦労したのが白飯。お米の味を感じられ、粒感が残る水分量を決めるのに時間をかけたそう。「崎陽軒の看板商品を使うので手抜きはできません。試行錯誤を繰り返し、試作から半年ぐらい調整を続けました」と岩本さん。

ほかに、シウマイ弁当に入っているアンズは「デザートか、おかずか」といった論争もあったそう。最終的に関西バージョンでは、デザート感覚で食べられる甘じょっぱい黒花豆煮に落ち着いた。

関西シウマイ弁当が入る経木の弁当箱。木が余計な水分を吸うのでご飯が冷めてももっちりした食感とおいしさを保つ


虎が目印!関西バージョンのパッケージ

関西独自のパッケージにも注目だ。龍と水晶玉を描いたシウマイ弁当に対し、関西シウマイ弁当は虎と水晶玉。龍虎は古代中国から美術などによく使われる組み合わせだが、あの野球チームを連想する人も多いかもしれない。が、「タイガースを意識したわけではありません(笑)」と岩本さん。

虎が咆哮するパッケージ。水晶玉には明石海峡大橋や姫路城、太陽の塔、奈良の大仏、白髭神社の鳥居などの名所がちりばめられている


水晶玉の中には岡山の桃太郎や兵庫県の姫路城、明石海峡大橋、大阪の太陽の塔、京都の五重塔や大文字、奈良のシカや大仏など近畿・中国地方の有名観光地のイメージが並ぶ。シウマイ弁当と食べ比べて、パッケージを並べてみるのも一興だ。

1日100食限定。購入のチャンスを逃すな

関西シウマイ弁当はJR姫路駅中央売店で9時から70個、14時からは30個の1日100個限定で販売(1人5個まで)。販売状況により増産や販売店舗の拡大の可能性はあるが、「関西シウマイ弁当には添加物を使用していないため、賞味期限が7時間と短く、急な増産は難しいのが現状」と岩本さん。関西独自の味を楽しむには、購入のチャンスを逃さないようにするのがベストだ。

岩本さんは「横浜で有名なシウマイ弁当の関西バージョンができました。一つ一つ関西風に味付けし、関西らしいダシを使ったおかずを入れています。ぜひ有名なシウマイ弁当と味の食べ比べをお楽しみください」、崎陽軒広報の野本幸裕さんも「『シウマイ弁当』が関西風になることでどのような新たな食文化が生まれたのか、ぜひ一度ご賞味いただき確かめてみてください」と呼びかける。人気弁当の関西バージョン、ぜひ味わってみては。

取材・文=鳴川和代

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